ホットクックのいとおしいデメリット
急に秋が濃くなり、気温も、日暮れも早くなった。少し感傷的な気持ちになるこの頃だ。
他の作業に時間がかかり、料理作りを思いきって「いいや!」と思う日もあるけど、ホットクックとヘルシオを日々愛用している。
気温が低くなるとやはり食べたくなるシチューや、豚汁などの汁物だ。
保育園から帰宅するとお腹をすかせた子どもがそわそわして冷蔵庫を空けたり、テーブルのお菓子に手を伸ばそうとしたりして、空腹を伝えてくる。
煮込み中と空腹の戦い。じりじりジリジリ。
「(メロディ)~できあがり♪」のホットクックお姉さんの声に心底安堵する瞬間。
子どもを座らせ、スタイをかけ、ホットクックから料理をよそい、運ぶ。
「△⬜×……あっちっぢっ…~…」と鈍い声と表情。
「ひゃ~そうだよね!!ごめんごめん、ふぅふぅして!!」と詫びながら自主的ふぅふぅを促す。
子どものふぅふぅくらいじゃ、ホットクックの煮込みの高温はびくともしない。
しかしホットクックから出てくる料理が美味しいことを彼はよく知っているから、果敢に「あぢち…あちぢ」を繰り返し顔を歪めながらも口に運んでいく。
いとおしいホットクックの、「あつあつすぎる」というデメリットも、「すべての栄養が溶け込んで美味しいから待ちきれない、食べずにはいられない」というメリットに完敗なのである。